1/1ページ目 「…風丸…っ」 ぽっかり心の中に穴が…それもブラックホール並の穴があいたようにめのまえが真っ暗になってしまった気がした…。 風丸の突然のリタイア…信じられなかった。認めたくなかった… 「円堂」 名前を呼ばれても今は顔をあげる気力もない…声で誰かはすぐわかったけど… 「いつまでそうやって屋上の端で暗く俯いて座ってるつもりだ」 「………」 鬼道の言葉が耳から耳へと流れる。 声をだす気力もないし、話しをきくのも答えるのも今はだやい…。 「…確かに風丸がぬけたことによるショックは大きいと思う…それにしてもお前、豪炎寺や染岡がぬけたときよりもひどい落ち込みようだな…?」 体が無意識にピクッと反応した。 俺…そんなつもりはなかった…… 確かに豪炎寺、染岡達がぬけた時は正直ショックをうけた。 キャプテンだからしっかりしないとダメだ、そう思ったから…いつか皆帰ってくると信じているから………まだ乗り越えてこれた。 だけど… 「………は…」 「…?なんだ」 「風丸は大切な…親友で幼なじみなんだ…」 「………」 保育園の頃から…ずっと一緒だった。 そぅ…ずっと…。 「えんどー!!」 長い青色の髪の毛を揺らしながらこちらへ走ってくる風丸の声が聞こえた。 中学生の時よりは長くはないが、小学生の頃から風丸はポニーテールだった。 「また今日も一人サッカーしてるのか?」 「あぁ!!でも一人じゃドリブルぐらいしかできないんだぁ…だから人集めてるんだけど誰もクラブにはいってくれなくて困ってんだょ…」 「そうかぁ…お前も大変だな…」 「風丸こそ陸上やりたいって言ってるのに小学校に陸上のクラブないからどーしよーもねーよなぁ…」 「あぁ…、……そうだ円堂!!よかったら俺もサッカー付き合うよ」 「えっ!!いいのか風丸!!」 「俺、サッカーなんてまるっきり初心者だから練習になるかわかんないけどな」 「全っ然!!!大歓迎だよ風丸っ!!サンキューなぁ!!!!!」 「あぁ!!」 いつも…いつでも…悩んでる時や、泣きそうな時、楽しい時も嬉しい時もいつも風丸が側にいてくれた…そんな存在だった。 特にサッカーを二人で時間を忘れて練習してた時のことは今でも覚えている。 中学二年になって、人数が少ない雷門サッカー部にはいってくれた時は素直に嬉しかった…!! また、風丸とサッカーができる!! しかも今度はフィールドで!! それなのに……………… 「俺…風丸のこと…何も考えてあげれなかった…」 「円堂…」 俯いていた顔をさらに俯かせ、体操座りしている腕の上に自分の顔をうめた。 涙なんて絶対見せたくない…… 「風丸と…一緒に……悩んであげれなかった……」 自分が情けなくて…こんなにも苦しくて、キャプテン失格なんてもんじゃない…風丸の親友失格だ…… 俺…どうしたら…… 「…俺は………信じているからな」 鬼道が突然発した言葉は意味がわからなかった。 信じて…いる? 「何が…」 「俺は…お前が必ず立ち直ってくれると信じている」 鬼道の言った言葉が意味もわからず頭の中でグルグルまわっていた… 少ししてハッとし、思わず前を向いた。 「き…どう?」 鬼道の声がして、そこにいたであろう場所を見てみた。 だけどそこに鬼道はいなかった… 『お前が必ず立ち直ってくれると信じている』 うざったく頭に残る言葉。 …でも鬼道が言ったその言葉が心に長く響いていた…… 「あ!!お兄ちゃんっ」 「どこいってたんっスカ?もう練習はじまるっスヨ!?」 「あぁ…すまない、よし!!練習はじめるぞ!!ランニングからだ!!」 「「「おぉー!!!!」」」 (俺は立ち直って元の円堂に戻ることを信じているぞ…早く戻ってこい) [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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